痴漢現場での対応
痴漢事件に巻き込まれてしまった場合、現場ではどう対応するのが正解なのでしょうか?

「痴漢に間違えられたら逃げろ。」という考えが横行しているかもしれませんが、逃げ出すのは得策ではありません。
逃げようとして捕まってしまった場合、「後ろめたいことがあるから逃げ出した。」という心証を与えてしまいます。「逃亡・証拠隠滅の恐れがある。」として逮捕後に勾留されることは避けられません。
逃亡を図る際には、自分が怪我をするリスクと周囲の人に怪我を負わせて罪が重くなるリスクがあります。
またその場から逃げ切ったところで、後で防犯カメラの映像や定期券・ICカードから身元を特定されて逮捕されることもあります。
痴漢に間違われた場合、逃げ出さずに落ち着いて毅然と行動することを心がけましょう。
まず、被害者や駅員に対しては「やっていない。」「人違いだ。」ということを伝えます。
周りにいる人にも聞こえるようにアピールしておくと、当初から痴漢行為を否定していたという証言に繋がります。
自分は逃げも隠れもしないということを示すために、名刺を渡して「いつでも連絡に応じるので今日は帰らせて欲しい。」とその場を立ち去るようにします。
それでも疑いが晴れず、駅長室や事務室への同行を求められた場合には「弁護士を呼ぶ」旨を伝え、直ぐに弁護士に電話をします。
顧問弁護士がいればその方に、いない場合は弁護士会に電話すれば当番弁護士を派遣してもらうことができます。
痴漢冤罪との戦いはスピードが肝心です。
弁護士への連絡は1分1秒を争うと言っても過言ではありません。
駅長室等についた後は「弁護士立会いのもと話したい。」と告げて、弁護士が到着するまで黙秘します。
もしも通勤途中に痴漢事件に巻き込まれた場合には、無断欠勤にならないように会社に連絡を入れておくことも忘れてはいけません。
家族に電話し、「急病で休むので有休を使わせて欲しい。」と会社に伝えてもらいましょう。
2~3日欠勤しても逮捕されたことが会社にバレないようにする為です。
痴漢事件に巻き込まれ長期間勾留されると、冤罪であっても職を失ってしまうことが多々あります。
- ①やっていない、人違いだと冷静に主張する
- ②身分を明らかにして立ち去る
- ③出来るだけ早く弁護士に連絡する
- ④家族を通じて会社に連絡を入れる
この4点を頭に入れておくと良いでしょう。
あとは弁護士が現場に到着するのを待つだけです。
電車が揺れた際に女性の体に触れてしまい、痴漢だと声を挙げられるケースもあると思います。
この場合の対応は、痴漢に間違われた場合とはやや異なります。
シラをきり通すのではなく、「故意ではないが不快な思いさせてを申し訳なかった。」と謝罪し、状況を説明しましょう。
誠意が伝われば、そこで話が終わります。
それでも被害者が納得しない場合には、上記の②~④の対応を取ります。
弁護士に依頼すれば、示談をする流れで話が進むことになります。