強姦

13歳未満の女子を姦淫した者
女子の心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者
どちらも「3年以上の有期懲役」で処罰されます。
加害者本人に強姦の自覚がなく、よく問題となるのが「準強姦罪」です。
まずここでいう「心神喪失」とは、精神的障害や泥酔等によって「性交渉について正常な判断ができない状態」のことを指します。
「抗拒不能」とは「物理的心理的に抵抗できない状態」を指します。
熟睡している場合や、加害者との従属的関係において抵抗できない場合がこれに当たります。
「お酒に酔った女性と合意の上で性交渉を行なったのに訴えられた」というのが準強姦罪の典型です。
お酒を飲んでいても正常な判断が可能な状態であれば「心神喪失」とは言えず、準強姦罪は成立しないため、
- 相手に判断能力があったかどうか
- 抵抗できる状態だったかどうか
がポイントになります。
判断材料としては、性交渉前の女性が
- 自分で歩くことが出来たかどうか
- 問題なく会話が出来る状態だったか
- 自分で着替えられる状態だったか
などがあげられますが、その場の状況を総合的に判断して準強姦に当たるかどうかを考える必要があります。
その他、強姦の罪の注意点は以下の通りです。
被害者が男性の場合には強姦罪は適応されず、強制わいせつ罪にあたります。
13歳未満の男児への行為であっても強制わいせつ罪です。
13歳未満の女子への性交渉は禁じられていて、合意があったかどうかに関わらず強姦罪が成立します。
例外として、女性が13歳以上だと誤信していたことを証明出来れば、強姦罪は適応されません。
加害者の年齢は問わないため、小学生の男女が性交渉を行なった場合でも男子児童は強姦罪を犯したことになります。
しかし「14歳に満たない者の行為は、罰しない(刑法41条)」という定めがある為、刑事責任は問われず(※1)、実際に処罰を受けることはありません。
男性が14歳以上の未成年であった場合には、原則少年法で裁かれます。
14歳未満が犯罪を犯した場合刑事責任は問われませんが、家庭裁判所の審判を受けて保護観察処分や施設または少年院への送致といった保護処分を受けることがあります。
男性器を女性器に挿入した時点で強姦罪は既遂になります。
射精の有無は関係ありません。
強姦罪は男性が女性に性交渉を行なうことが要件ですが、女性も強姦の共犯者になりえます。
被害女性の身体的拘束を行なったり、男性にレイプを依頼したりした場合には、女性であっても共犯者になります。
強姦を目的とした暴行や脅迫を開始した時点で、強姦未遂罪(刑法179条)が成立します。
強姦未遂罪は強姦と同じく3年以上の有期懲役で処罰されます。
告訴がなければ罰せられません。
ただし、2人以上の加害者による集団強姦の場合には被害者の告訴がなくても罰せられます。
強姦罪に類似する犯罪としては、強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪があります。