勘違いの痴漢事件でもう呼び出されたり罰せられたりしないということで安心しました。

満員電車で痴漢冤罪

43歳の自営業者です。
満員電車で痴漢と勘違いされて逮捕され、大変な思いをしました。

普段電車に乗ることは少ないのですが、その日は朝いちで取引先に行く用事があり朝早く電車に乗りました。

乗った電車は満員で掴まる所もないくらいでした。
私は作業服姿で重い鞄を抱えるように両手で持って、電車に揺られていました。

周囲を人に囲まれて、身動き出来ない程の大混雑です。
今月の仕事の予定などを頭の中で考えながら目を閉じていました。

しばらくして「やめてください」という女性の声がして、私の手が掴まれました。
私は一瞬何のことかわからず、その女性を見返しました。
女性は30歳前後で見たことのない顔でした。

周囲の人が異変に気付いて私たちを見る中で、「この人痴漢です。」と言われてしまいました。
私は全く身に覚えのないことで「私は何もしていない、人違いだ。」と主張しましたが、近くにいた男性二人に捕まえられて次の駅で降ろされてしまいました。

ホームで「本当に私ではない。大事な仕事があるので行かせて欲しい。」と主張しましたが、駅員は「駅長室で話を聞きます」の一点張りで半ば強引に駅長室に連れて行かれました。

駅員に事情を聞かれましたが、私はそれどころではなく「仕事に穴をあけられない。せめて電話させて欲しい。」とお願いして、取引先と職場に電話をしました。

取引先はまだ留守電になっていたので、トラブルに巻き込まれて伺えなくなった旨のメッセージを入れました。
仕事は家族で営んでいる町工場なので電話をして仕事のフォローを頼み、細かい指示を出しました。
電話でいろいろと指示を出している間に警察官が到着していました。

警察署でも私は「やっていない。」と主張しましたが、氏名や住所職業等を聞かれ、手の平の付着物を検査されました。

また荷物検査もあり、工場で作っている部品や書類の入った鞄を調べられました。
私は鞄の中身を見せている間に、この部品を見てもらうために取引先の元に向かう途中だった旨を説明し手帳も見せました。

結局取り調べは2時間程続き「また何かあれば呼び出します。」と言われ釈放されました。
その後音沙汰がなかったのですが、不安になり懇意にしている弁護士さんに相談しました。

弁護士さんに調べていただいた所、被害女性の衣類の繊維等は検出されず証拠不十分で不起訴処分になっているとのことでした。

勘違いの痴漢事件でもう呼び出されたり罰せられたりしないということで安心しました。
しかし逮捕しておいて事件の結果を連絡してこない警察に少し驚きました。

弁護士さんが言うには、2時間程の取り調べで釈放された私は運が良いようです。おそらく私が痴漢をしたという決定的な証拠もなく、大事な仕事に向かう途中だったという点も痴漢をするとは考えにくいと判断され直ちに釈放されただろうとのことでした。