些細なやり取りも被害者の受け取り方によっては、セクハラと思われかねません。

セクハラ

セクハラで訴えられ、高額な賠償金を請求されるケースも増えてきました。
些細なやり取りも被害者の受け取り方によってはセクハラと思われかねない為、セクハラは決して他人事ではありません。

セクハラに巻き込まれやすい職場を例にとって見てみましょう。
職場内のセクハラは「対価型セクハラ」と「環境型セクハラ」に分かれます。

1.対価型セクハラ

職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否するなどの対応により解雇、降格、減給などの不利益を受けること

①代償型…性的要求を断られると、降格や解雇等労働者に不利益を与えるもの
②報酬型…性的要求を受け入れることを条件に、昇進等の見返りを与えるもの
③地位利用型…上下関係を利用して性的要求を行なうこと

対価型は上司の性的要求を断ると不利益を受ける、というイメージです。
対価型セクハラは悪質で加害者にもセクハラの自覚がある場合がほとんどでしょう。

2.環境型セクハラ

性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に悪影響が生じること

①身体接触型…不必要に体に触れるもの
②発言型…下ネタやプライベートな質問など相手が不快になる発言をするもの
③視覚型…卑猥なポスターを貼る、目の前で着替えるなど、視覚的不快をあたえるもの

身体接触型はセクハラの分かりやすい事例です。

胸やお尻だけでなく「お疲れさま」と労いの意味で肩をたたいてもセクハラと思われる場合があります。
異性には触れないように心がけた方が良いかもしれません。

発言型は最も注意が必要です。

「彼氏いるの?」「結婚しないの?」などプライベートに関する質問はもちろん、男同士の下ネタも近くにいる女性社員の耳に入り不快な思いをさせればセクハラになります。

また「スタイルがいいね」「かわいいね」など褒めたつもりの言葉もセクハラと思われることがあります。

セクハラにあたるかどうかは「相手が不快と感じるかどうか」です。

好きな相手から食事に誘われれば嬉しいけれど、嫌いな相手から誘われると不快な為、セクハラの線引きはとても難しいところです。

視覚型セクハラは、無意識にしていないか注意が必要です。

グラビアアイドル等の露出度の高いポスターを職場に貼るのもセクハラにあたります。
更衣室以外で着替える、休憩中にアダルトサイトを見るなど、他人が不快に感じる行為がないかどうか注意しなければいけません。

環境型セクハラは適応範囲が広く加害者に悪意がなくてもセクハラだと訴えられるケースがあります

セクハラは男性→女性だけでなく、女性→男性、同性同士にも適応されます。
また、上司→部下だけでなく、同僚同士や部下→上司にも適応されるため、誰もが加害者になりえます

職場でセクハラの加害者になってしまった場合には、どうすればよいのでしょうか?

1.被害者が会社に訴えた場合
①被害者から相談を受ける
②会社が実態を調査する
③セクハラの事実があれば加害者を処分する(解雇・降格・人事異動等)

会社には労働者からセクハラの相談を受け適切に対応する義務があります。
加害者は会社から処分を受けることになり、最悪の場合は解雇されてしまいます。

セクハラが事実無根であれば、会社にその旨を主張することになります。
あいまいな主張な不利になりますので、きっぱり無実を主張しましょう。

セクハラの事実があれば、被害者と示談して会社の処分を待つことになります。

2.被害者が専門家(弁護士等)に相談した場合
①被害者から事情を聞き取る
②損害賠償請求(示談または民事裁判)される

会社の処分と並行して、または損害賠償請求のみがなされる場合もあります。
悪質な場合には犯罪(強制わいせつ罪、侮辱罪等)として訴えられることもあります。
被害者が専門家に依頼した場合には、加害者側も専門家に依頼した方が安心です。