盗撮

まず、盗撮がどんな罪にあたるのか、知っている人は少ないかもしれません。
公共の場での盗撮は迷惑防止条例違反に当たります。
罰則は概ね「6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金」、常習の場合は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」です。
迷惑防止条例は、各都道府県ごとに定めている条例ですが、「公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着を見、又は撮影すること」を多数の都道府県で禁じています。
また、撮影に関する明確な条文がない場合でも「公共の場所や乗物内において、人を著しく羞恥させたり不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない」という痴漢行為の条文に該当し、罰せられることがあります。
公共の場所以外での盗撮は、軽犯罪法違反に当たります。
軽犯罪法第1条23項の「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」に盗撮が該当します。
罰則は「勾留または科料」です。
また、盗撮のために他人の住居や敷地内に立ち入った場合には、軽犯罪にあわせて住居侵入罪や建造物侵入罪も成立することがあります。
住居侵入罪・建造物侵入罪は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金です。
普段出入りが許されている場所であっても「正当な理由なく侵入した」とみなされる為です。
被害者が18歳未満の場合には、児童ポルノ法違反に当たることがあります。
罰則は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」です。
制服姿の女子中高生を狙って撮影した場合などは、児童ポルノ法違反として通常の盗撮よりも重い罪になります。
盗撮は、裸や下着を撮影することに限られません。
衣服の上からであっても、撮影の状況によっては犯罪になります。
また、盗撮は未遂であっても罰せられます。
スカートの中にカメラやスマートフォンを差し入れた段階で、迷惑防止条例違反が成立すると考えられるからです。
盗撮の場合には、被害者と示談が成立しているかどうかで不起訴か起訴かのカギを握ります。
被害者は心に傷を負っている場合が多く、加害者本人が示談交渉を行なうのは非常に困難です。
罪を軽くする為には、専門家に相談し、犯した罪への反省を被害者に伝えることが重要になります。